足利氏女寄進状(氏女御判物)

天正一九(一五九一)年
差出 足利氏女(つほね)
宛所 禰宜・左衛門太郎、源二郎、織部

氏姫(氏女)は「雀宮」に領地内の駒ヶ崎の田、八反はったんはんを寄進した。差出人の「つほね」は氏姫を指すと考えられ、氏姫の居印きょいんが押されている。「雀宮」は古河市(茨城県)駒ヶ崎にある「雀明神社」と思われる。


足利氏女寄進状
釈文

 雀宮御寄進之事
合八反半古河駒崎之田
 右、賀茂断絶之間、禰き 明神へ之奉公いたしつゝけ候間、
 三人ニまかせ下され候、毎年のことく祭例たいまんなく、これをつとむへき者也、
 天正十九年辛卯
   九月七日   つほね
    禰宜
      左衛門太郎とのへ
      源二郎とのへ
      織部とのへ

読み下し文

合八反半古河駒ケ崎の田 右、賀茂断絶の間、禰宜ねぎ明神への奉公いたし続け候間、三人にまかせ下され候、毎年のごとく祭例怠慢なく、これを勤むべき者なり、