足利義政御教書(関東奉公方面々中江沙弥之状)
宝徳二(一四五〇)年
差出 畠山持国
宛所 関東奉公方面々
「関東合戦」(江の島合戦)では、関東公方・足利成氏と関東管領上杉氏の重臣・長尾景仲、太田資清が争い、成氏が勝利を収めた。将軍・足利義政は合戦を非難した。
足利義政御教書
封紙
釈文
(封紙ウワ書)
「沙弥□本 関東奉公方面々中」
今度関東合戦事、不期次第太不可然、
於于今者属無為歟、
毎事無不忠之儀、可被励其功之由、所被仰下也、
仍執達如件、
宝暦二年五月廿七日 沙弥(花押)
関東奉公面々中
読み下し文
今度の関東合戦の事、期せざる次第太だ然るべからず、今に於いては無為に属すか、毎事不忠の儀無く、其の功を励まさるべきの由、仰せ下さるるところなり、仍て執達件の如し